書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

パワー

 

保護者のみなさんは、

どのようなことにパワーを使っていますか。

 

「どうすれば、外出できるだろうか」

「どうすれば、友達を作れるだろうか」

「どうすれば、やりたいことや目標を見つけられるだろうか」

 

そのような悩みにパワーを使っている方は多いでしょう。

 

あるいは、

 

「どうすれば、学校へ戻れるだろうか」

「どうすれば、他の子どもたちのようにフツーになれるだろうか」

 

そのような悩みにパワーを使っている方も少なくないでしょう。

 

 

けど、

もうちょっと違うところでパワーを使って欲しいなと思います。

 

本人が

「回復するためには」

「元気になるためには」

 

そのようなことにパワーを使ってあげて下さい。

 

「回復したら学校へ戻るだろうから、同じじゃないか」

と言われるかもしれませんが、違います。

 

回復して、元気になっても、

その上で学校へ戻らない選択をする可能性もありますし、

いまは友達がいなくてもいいと思うかもしれないですし、

外出しないで自宅で色々と取り組むことになるかもしれません。

 

それでもいい、時代です。

 

学校へ戻るか戻らないかは、

回復してから、元気になってから、考える話です。

 

なので、いま使って欲しいパワーは

「学校へ戻るため」ではなく

「元気になるため」であって欲しいなと思います。

 

学校へ戻ることにパワーを使って、緊張感のある親子関係になるくらいなら、

緊張せずリラックスできる環境づくりにパワーを使って欲しいなと。

 

学校へ戻ることにパワーを使って笑顔のない日々を過ごすよりも、

笑顔を取り戻すことにパワーを使って欲しいなと。

 

 

本人たちもパワーを使っています。

 

やはり、

「学校へ戻ること」「フツーになること」などにパワーを使わないで欲しいですね。

 

子どもたちは、

保護者が使うパワーと同じ方向または逆の方向にパワーを使うものです。

 

どういう方向にパワーを使っているのか、

保護者のみなさんはよく見てあげて下さいね。

 

 

例えば、

「学校へ戻ること」「フツーになること」を目的にしていると

「朝早く起きなくちゃ」ということにパワーを使いますが、

 

「元気になること」「リラックスできるように」を目的にした場合

「いまは早起きしなくてもいいや、眠れるだけ眠ろう」ということにパワーを使うことになります。

 

 

ちなみに、

「なにもしない」こともパワーを使います。

 

ケガを治すためには、

ケガの箇所を無理して動かさないことにパワーを使わなければいけません。

 

「なにもしない」というパワーの使い方もイメージとして大切です。

 

 

人間の持つパワーは、

ボクたちが思いも寄らないほどの可能性を秘めていると思います。

 

人間をどこまでも傷つける可能性もあれば、

人間をどこまでも元気にする可能性もあるでしょうし、

それらを自分自身の中に持っているのだと思います。

 

自分の持つパワーの使い方次第、使い道次第、で

あらゆることが変わってくるのでしょう。

だとしたら、より良いパワーの使い方をしたいですね。

 

「学校へ戻るため」に使っていたパワーを

「元気になるため」と方向転換するだけで、

あらゆることが大きく変わってくるかもしれません。

 

 

人間の持つパワーは、すごい。

 

それを自覚することにも、

なかなかパワーが必要かもしれません。