書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

シングルマザーだから

先週にお会いした保護者の方、
いわゆるシングルマザーでした。


離婚されて、いまは息子さんと二人で暮らしているとのこと。
離婚して間もない時期から、息子さんは不登校に。
これ以上の状況は書けないのですが、
お母様は、「シングル」であることを、とても気にされていました。
夫婦仲がわるくなり、
家庭内別居、別居、そして離婚、
と時を同じくして息子さんが不登校に。
そう時期が重なれば、
「不登校の原因は離婚にある」

と考えてしまっても仕方ありません。
お母様は、それを連呼されていました。
そして、シングルマザーであることを、とても気にされていました。

ボクは率直に言いました。
「たしかに不登校になった原因のひとつは、ご両親の関係にあるような気がします」
と。

しかし、
こうも付け加えました。
「だけど、それが原因の全てとは思えませんし、
 仮に原因をつきつめても意味はありません。
 ましてや、シングルであることを気にしすぎても
 息子さんには何のプラスもありません」
と。

ちょっと厳しい言い方をしたかもしれませんが、
でも、
お母様が離婚という決断をした以上、
あまり後悔をして欲しくはないんです。
お母様は、
「息子にわるいことをした、わるいことをした」と言っていました。

だけど、
ひとりの女性として、そういう選択をしたわけですし、
「わるいことをした」という気持ちを抱きつつも、
あまり気にしすぎないで欲しいな、と。
離婚をして、苦しんで、
泣いたり、悩んだり、しながら、
でも、笑ったり、楽しんだりしながら、
親子で歩いていけばイイんですし、
そのことだけ考えればイイと思うんです。
お子さんに「離婚」の話題を触れたければストレートに触れてイイですし、
触れたくなければ触れなくてイイんです。

とにかく、気にしすぎないこと。

シングルマザーの方は増えています。
決してボクは離婚を容認しているわけではありません。

むしろ、芸能人などが早々に離婚をしていることが
なんだか娯楽ニュースのように報じられることには抵抗がありますし。
でもともかく、
シングルマザーの方の絶対数は増えています。
そして、また
不登校生の数も増えています。
なので、
シングルマザーも不登校も、
そんなに大騒ぎすることじゃないんです。

人間が人間と関わる中で、
ある意味、自然な現象のひとつだと思っています。
だから、
気にしすぎないで欲しい。

というのは、

お子さんは、それほど気にしていないことが多いんです。
逆に、
シングルであることで、気を遣われることの方を嫌がる子もいます。

「シングルマザーになったから不登校になったのね、ごめんなさい」
じゃなくて、
堂々と、シングルで過ごして欲しいなと思うのです。

大変かと思います。
望まずして、シングルになられている方も多いと思います。
でも、
お子さんに、「ごめんね」とは言いつつも、
あとは前を向いていて下さい。
気を遣いすぎなくも、謝りすぎなくても、
その気持ちがあるだけで、お子さんには十分ですよ。