書籍「不登校そうだんしつ」出版

あべが思うこと

山と谷

 
 
ちょっとずつ回復をしてくると、
それまでよりもしんどくなることがあります。
 
本人も、そして保護者も。
 
 
全く動けないとき、
全く外に出られないとき、
やりたいことができないとき、と
 
ちょっと動けるようになってきたとき、
ちょっと外に出られるようになってきたとき、
やりたいことをやり始めたとき、では
 
見える景色も感じる空気も変わります。
 
それが、しんどかったりするわけです。
 
 
ちょっと学校へ行くようになったら、
授業にサッパリついていけなかった。
 
ちょっと外に出て他人と接してみたら、
緊張の連続で疲れてしまった。
 
ちょっとやりたいことを見つけたけど、
やってみたら難しくて嫌になってきた
 
 
そんな本人の様子を見て、
保護者も落ち込んでしまったり、
 
そんな本人からの愚痴や不満や八つ当たりで、
保護者もやりきれなくなったり、
 
「ずっと動かないでいたときの方が楽だったかも」
 
なんて思ったりするかもしれません。
 
 
けど、
学校へ行ってみて授業についていけないのも、
他人と接してみて緊張で疲れてしまうのも、
やりたいことをやってみて嫌になってくるのも、
 
どれもこれも
「回復してきたからこそ」なんですよね。
 
 
回復していなかったら、
全く動かずそのままでいて、
今のような悩みもしんどさも感じずに済んだことでしょう。
 
けど、
その当時には誰よりも回復を願っていましたよね。
 
その回復が進んできたからこそ、
あらたな悩みや課題が現れてきたわけです。
 
 
見える景色が変わったのです。
 
山は登ると見える景色が変わります。
登らなければ変わらなかった景色も、
登ったことで見たこともない景色になったりします。
 
 
回復してきたからこそ、の景色かもしれません。
回復してきたからこそ、の悩みかもしれません。
回復してきたからこそ、のしんどさかもしれません。
 
 
回復や成長は「山あり谷あり」です。
 
ずっと「谷」の底にいて、
回復してきたら一気に「山」を登り続ける、
というわけではなく、
 
回復も「山あり谷あり」です。
 
 
ちょっと回復してくると、
どうしても保護者は期待をします、その分だけ本人も自分に期待をするものです。
 
その期待を原動力として
どうしても保護者は一気に回復することを願い、その分だけ本人もそれを願います。
 
しかし、
そんなときこそ「山あり谷あり」だと思って下さい。
 
回復は「山あり谷あり」くらいがベストだとボクは考えています。
 
 
これまでも「山あり谷あり」で頑張ってきたことでしょう。
そのおかげで、ちょっと回復してきたわけです。
 
その回復過程で、
初めての「山」を登り始め、そして初めての「谷」に出会うわけです。
 
見える景色が変わっているのです、
感じる空気も変わっているのです。
 
 
「せっかく動き始めたのに、またか」と言いたくなり
「ずっと動かないときのほうが楽だった」と言いたくなるかもしれません。
 
けど、
それは回復してきているサインの可能性があります。
 
 
しんどいと感じたら、初めての「谷」にいるのだと思ってみましょう。
それは初めての「山」を登り始めたということでしょう。
 
「山あり谷あり」です。
 
新たな「山」を登り始め、
初めての「谷」を迎えたのであれば、しんどいのは当然です、仕方ありません。
 
けどそれは、
かつての「山」を乗り越えたということです、保護者も本人も。
 
 
いちど立ち止まって、
見える景色が変わったことを感じてみて下さいね。
 
 
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